遅くなりましたが、12月のおすすめ本です。
今月は、安田理深『願生偈』聴記( 『安田理深選集』第9巻〜に収録)です。その一節をご紹介します。
人間の自信は人間がのべる範囲のものである。自力無効とあやまりはてての自覚だけが、仏の権威をもって話せるのである。人間の体験や確信は、高が知れている。底がある。深信、二種深信に触れて初めて、我らには底があると知らされる。そして仏の無底の本願に触れるのである。そしてまた、衆生が、仏と同じ深さをもつことを知らされるのである。仏の本願が無涯底であるように、衆生の迷いの深さも底がない。( 『安田理深選集第九巻』p.46)
私たちは体験や思いで、「私は大事なことをつかんだ」と自信を持ってみたり、「私なんて浅い人間だ」と卑下してみたりします。
けれども、考えてみれば、「浅い人間だ」と言えるということは「深いこと」に触れていないとほんとうには言えません。たかだか数十年の人間の経験で、ものごとの優劣を決められるようなものではないということを教えてくださる言葉です。
安田理深先生の言葉は何か、「人間として生まれたからには、聞いておかなければならない」と思わせるものがあります。ちょっと難しいと感じられるかもしれませんが、挑戦してみてください。
他にも新入荷の本もあります。
1月のイベントは、1月9日(金)14時〜仏教書輪読会、10日(土)14時〜医学書では学べない認知症のお話(認知症の学習会)です。ご関心のあるかたはご参加下さい。(→イベントのお知らせ)
それでは今年も残りわずかですが、よろしくお願いします。

















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